「虫の目レンズ」 実験・試作編

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●実験用プラットフォームの準備
  いろいろな機材の試作段階では、有り合わせの部材を仮止めしたりして組み上げていくことになる。
 
だが、幸いなことにオイラの手元には、試作と実験を効率的に進めるためのプラットフォームがある。
←レンズ受部をタンデムに配置
都合、新旧あわせて4セットのOMベローズを確保している。
重要な点は、新旧や生産ロットの違いあっても、基本的に寸法(特に光軸:つまり中心)の位置は変わらないということ。
中心がキープ出来るというのは、非常に重要な事。
これに各種アダプタを組み合わせれば、イロイロなレンズを“容易に”光軸を合わせて試せるのだ
←各種アダプタ類とレンズの大きさの比較
それにしてもボードレンズG1.9の小ささは際立っている。
左:G1.9をOMマウントへ、右:実験用の組み合わせ例
一つ一つ課題を潰していかねばなるまい。

●一号機の試作
いろいろな拡大系レンズをプラットホーム上で試した後、手持ちのパーツ類で組めそうなもので開発してみる。
←G1.9を少し前に出した
一段上の写真でも分かるが、M13ネジ規格のG1.9はとても細くて小さい。
したがって、M13-CSアダプタ、C-M42アダプタ、M42-OMアダプタの三連ではレンズを小さくした意義がスポイルされる。
このため、アクリル材を削って10mmほどレンズを前に出す下駄(ワッシャー)を作った。
ただし、この加工によって拡大レンズの位置決めの自由度は減ってしまった。
で、E-510で組んでみたのがコレ。テスト用Set-01
 
←長いし、ストロボの光が回し難い
OM-4/3アダプタ+OM 65-116 Auto Tube+自作M52mm-OMアダプタ+Ai Nikkor 28mm F2.8s(リバース)+
BR-6+K-3+M42-NiFアダプタ+M42ヘリコイドL+C-M42アダプタ+M13-CSアダプタ+G1.9ボードレンズ ←組み合わせが複雑すぎ!

で、このセットの問題点は大きいところで二つ。除:画質評価
  1) 光学的な問題:レンズ(群)一本毎に像が反転する。一本目のレンズで見掛け上の正像なので、二本目で逆像となる。
  2) 所有機材の問題:Eシステム用のストロボが無いので、マニュアル発光が必須となる。即応性に難がある。
小さな問題はいくつもあるが、あえて書き残しておくとすれば、
  3) K-3リングとM42-NiFアダプタ(市販品)の結合に遊び(グラつき)があるので、Borgの[7523]M57-M42P1ADに要変更。
  4) 細筒部分を長くしたいので、C延長筒を追加。それに伴って、M42ヘリコイドを短い物(MかS)に変更。
    ※Cマウントのフランジバックが17.526mm、CSが12.5mmなので、C/CS変換アダプタは約5mm。コレを多連結が安上がり?
    ※現有のM42H.-Lは27-47mmの長さに可変。M42.-Mは15-25mm、M42H.-Sは11-18mmがレンジとなる。
      Set-01でヘリコイド長30mm辺りがピン位置なので、C延長筒が10mmならばM、15-20mmならSになるのか?
  5) M42ヘリコイドをMかSに変更し、M57-M42P1ADを導入すれば、拡大(第2)レンズにZuiko Macro 20mm F2が利用可能となる。
とりあえず、このSet-01による試写の結果はこちら。
・・・・・・・・・・・・・・・・ 続き ・・・・・・・・・・・・・・・・
なんだかよく分からなくなってきたので、ここに組合せ表を置く。
評価第一レンズ(主レンズ)第二レンズ(拡大レンズ)第三レンズ()正逆メモ
×CBC
  G1.9mm
Olympus OM Zuiko
  Auto-macro 20mm F2
-逆像レンズの相性かもしれないが、中心部分がボケ易い。第1-第2間は0.05mm精度での調整が必要。
CBC
  G1.9mm
Nikon Ai Nikkor
  28mm F2.8S
<リバース>
-逆像逆像。第1-第2間にM42ヘリコイド。
ヘリコイドと第二レンズが重すぎ。
CBC
  G1.9mm
Nikon EL-Nikkor
  50mm F2.8 <リバース>
Nikon AF Micro-Nikkor
  105mm F2.8D
逆像たぶん、コリメート法ってやつ?
像を円周魚眼程度にしか拡大できない。
CBC
  G1.9mm
CBC
  G1.9mm
なんとなくであるが、第2レンズはヘリコイド最短(∞)位置に固定した状態で、第一レンズを微調整した方が良さそう。



・・・・・・・・・・・・・・・・ 続 2009.02.26  ・・・・・・・・・・・・・・・・

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