Making of underwater housing for Nikon D90 DSLR    
ニコンD90用水中ハウジングの(半)自作記録



<製作準備>
 2009年3月。やっと水中専用に割り振れるデジイチNikonD90を一台手に入れた。
しかし、D90用の市販水中ハウジングを購入する軍資金の目途が立たない。
また、各社の水中ハウジングが海での使用(ダイビング)を想定して製作されているため、
そのままではデカすぎ(レンズ光軸までの喫水が深すぎ)て、オイラ的用途には不向きである。
    例えば、アンティスのNexusシリーズのD90専用とD80用のD90改造モデルの違い
    ←この喫水差がオイラには重要
もちろん、上記のNexusD80T2のD90対応改造モデルが買えれば、何も苦労は無いのだが、、、ムリ。
なので、手元にあるジャンク扱いの水中ハウジングをD90用に改造することにした。
 水中ハウジングを製作する際に特に注意が必要なカメラの計測部位は下の三つの要素。

これに光軸中心から左右のカメラ幅と外部端子の配置(と実際にコネクタを接続した時の寸法)のチェックは必須。
特にリモコン端子とストロボアクセサリシューは事前にチェックしておかないと完成間際で泣きをみる。

<ベースの加工>
 今回の改造のベースとしたのはSubal製(?)のF-801用ハウジング。もちろん、金属(アルミ)製。
・・・
ベースの前蓋部内部の突起をD90が収まるように位置合せをしながら削っていく。
その作業と並行してカメラ固定用のプレートも作る。なお、プレートはポートとの光軸合せの最重要パーツ。

この段階で、既存の防水スイッチ、防水レバー、防水コネクタの内、改造後に生かすモノと殺すモノを選別。
再利用できる部品と代替品で活かせる部位を試行錯誤しながら加工する。

今回はシャッターレバーのみ加工・再利用することにした。
つまり、モード調整ダイヤル(ボディ前後)や電源on/offスイッチも実装しないことにした。
で、これらのD90をプレートに固定した状態で(既成のF801用)後蓋を被せてみる。

やっぱ、スゲー浮くな・・・
この後、ストロボコネクタ部の結線直しなどを施し、外部ストロボのi-TTL同調を確認しておく。


<裏蓋部の自作と調整>
 既製のF-801用後蓋部の流用はサクッとあきらめ、アクリルで自作することにした。
前蓋部にD90を固定した状態で再度諸寸法を計測してトレース紙上に設計図を描いていく。

トレース紙を切り抜いた設計見本を被せて位置や各部のマージンのチェックをする。
そして、それを10mm厚のアクリル平板に転記して、蓋合わせ部を作る。

悲しいことに糸鋸盤を所有していないので、手鋸でラフに削っていく。スゲー疲れる

くり抜きが終わったら、ネジビットを流用して内側を削り均していく。
前蓋部に載せて問題なさそうなので、D90装着状態で再確認。

特に問題は無さそうなので、次の行程に移行する。
もちろん、組み上げながら次の行程の設計図を微調整して進める。

今回の後蓋部自作のキモはアングルファインダーの内蔵と防水スイッチの自社開発。

行程(順番)を間違えないように注意しながら組み上げていく。

防水スイッチは、LV(ライブビュー)ボタンと十字キーの右・下のみの3つに限定した。コレがLV時に泣きをみた原因
ニコンの十字キー付き一眼レフは、AFフレームの循環モードというのが用意されている。
これは、光学ファインダー使用時(=LV非使用時)には、下端の下は上端、右端の右は左端となるので、
2つのキーさえ押せれば全AFフレームにたどり着ける。
・・・
一応、各部が組み上がったので、風呂場でデカ発泡スチロール水槽内で(D90を内蔵せずに)進水テスト。

大丈夫っぽい。
ということで、とりあえず仮完成とする。

前蓋部は既製ジャンク品の魔改造、後蓋部はアクリル自作品なので、キメラ状態。
なお、ストロボはニコン純正SB-400用に水中ハウジングを自作して使用している。i-TTL完璧!!!

 2010年4月18日 自作したアクリル側のハウジング側面に有線レリーズ(リモートコード)用の防水コネクタを増設した。

防水コネクタは、現役引退・予備保管中のF3用ハウジングから取り外した物を流用した。
基本的にニコノス5ピン互換コネクタである。レリーズ用にはその内の3ピンのみ使用した。
 完全防水の水中レリーズ(コード本体)は、今回は製作が間に合わなかったが、当座は問題無し!?

<今後の調整課題>
 良い点・悪い点・要改良点など、いろいろある。当初の最低目標には達していて、稼働率は非常に高い。
今後も、追記があるかも。
・・・

 
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